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2007年9月18日 (火)

2007年夏の報告--動物園の日米格差

動物園は二回行った。一回は8月十八日土曜日、夜の砥部動物園。もう一回は九月一日土曜日の昼間、シカゴのリンカーンパーク動物園。別に動物が好きで好きで……というわけでは全くないけど、旅行に行くと、何かを見るしかないので、結果的に動物園や動物の生息地にわりあい行っている。

砥部動物園は、開館当時は日本では珍しい展示の動物園で、例えばライオンが檻のない原っぱのような場所にいたりする。その原っぱは隣のキリンなどライオンの餌になる草食動物のいる原っぱから低く、人間のいる場所との間に数メートルの溝がある。ライオンは自分がいる場所より高い場所には行かないとか、ジャンプできる距離を計算しているから、ぜったいにその原っぱから逃げ出せない。何度行っても不思議で、ちょっと緊張する。というふうに、それぞれの動物の習性を研究し、動物が野生に近い状態で観察できるようにしてあるのだそうだ。母熊が育てられなかった子熊のピースを自宅に連れて帰って育てあげたやさしい飼育係のお兄さんのいる動物園だ。

その砥部動物園、夏の週末は、夜、見学させてくれる。

そこで、虎にエサをやった。正確にいうと小学生の姪がやった。火箸の先に肉をはさみ、檻の高いところに持ち上げると、虎は伸びをして、がぶっと噛む。しぐさは可愛いけど、やはりケダモノだ。「山月記」だ。

姪は緊張していたけど、顔はにこにこしていた。終わったあと、姪は、私の側に来て、こう耳打ちした。「良子ちゃん、虎にやったあの肉な、超高級やで。だってな、メッチャ柔らかかったもん。」。姪は大阪生まれの大阪育ち、将来は生粋の大阪のオバチャンだ。

姪は夏休みの宿題に、「砥部動物園に行った。(夜)」という題の作文を書いた。かっこ夜、というのが不自然な気がするが、姪は最近学校で()を習ってきたらしく、やたら(00)を使いたがる。

シカゴのリンカーンパークの動物園にも行った。こちらは昼間だった。入場料無料なので、小さい子ども向けのポニーとか羊とふれあうタイプの動物園を予想して出かけたら、どっこい、敷地も動物の数も展示の仕方も、ニューヨークのセントラルパークの動物園よりはるかに規模の大きい、素晴らしい施設だった。

そこに猛獣コーナーがあり、そこでは、屋外と屋内、どちらからでも虎やライオンを観察できる工夫がしてあった。虎がいて、何かにはぐはぐ喰らいついているので見ると、バカでかい骨付きの牛肉(たぶん)。足の付け根か、肩の付け根か。もちろん生肉。虎はケダモノだから、骨をはぐはぐするのがたまらなく嬉しいらしく、人間が見ているのもかまわず、我を失って食べていた。口の周りに血をしたたらせて。獣というのは、本来、このようにあさましいものなのだということに、はっと気がついた。

Lionatlincolparknzoojpg_2

日本ではケダモノに、このような馬鹿でかい骨付き肉を与えているところを見たことがないのだが、私が知らないだけだろうか。夫は「あまりに残酷だからせんのじゃないん?」というのだが。

この後、カリフォルニアで、野生のsea lionを見た。説明の看板にはelephant sea lionとあったから、ゾウアザラシだと思ったのだけど、トドかも。ともかく、あの類のもの。ハースト・キャッスルという、新聞王・ハーストの邸宅に行った帰りだ。ゾウアザラシは昔はいなかったのだけど、10年くらい前(たぶん)から、なぜかアラスカから来るようになったのだそうだ。この日、私が海岸で見たのは身体が小さかったから子どもとメスかも。それとも時期じゃないからsealアザラシか?ようわからん、まあいいや。まだ夏の終わりなのに、岩も海も黒々として冷たそうだった。その海岸の砂浜に、巨大なナメクジのように、黒い物体が砂まみれになってごろごろ横たわっていた。彼らは日がな一日そうやって過ごす。海水がひどく冷たいので、餌をとるとき以外は体力を温存するのではないかと思う。かれこれ数十頭いたが、どれも呑気そうな顔をして気持ち良さそうに寝そべっていたが、あの自然のなかで生きのびるのはまさに闘いなんだろう。

そういえばアルゼンチンの最南端の港町、ウシュアイアに行ったとき、野生のペンギンやアザラシかその類の動物を見た。日帰りツアーで、船で行くというから、数分で着くのかと思ったら、えらく波の高い海を1時間かもっと走って、たどり着いた。おびただしい数のペンギンが、やっぱりぼーっと、強い風に吹かれて佇んでいた。

ハーストといえば、「キャッスル」などと大げさな、と思って見に行ったら、ほんとうにお城だった。写真アップするのめんどくさいのでこれ-->http://www.hearstcastle.com/ってゆーか、私の感覚だと松山城よりでかい?上沼恵美子の成金ギャグに「ペットはライオン、北極グマ……動物園持ってるんです」というようなネタがあったような気がするが、ハーストは本当にライオン、虎、北極グマ(二頭)を飼っていた。敷地内に動物園の跡があった。そして広大な農場があって、肉や牛乳、卵や野菜、すべて自給自足していたそうだ。私たちが宿泊したカンブリアに農場があって、馬と一緒にシマウマが草を食べていた。最初びっくりした。猛獣はもういないが、逃げたのか、飼い続けているのか、ともかく、シマウマだけは今も生きていた。

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